第15回近畿外来小児科学研究会:開催日 2008-11-23
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演題
外来における菌血症の診断と治療
所属・演者
愛育小児科  平岡政弘
抄録

 開院後約3年の間に、Occult bacteremiaの疑われた6歳未満児を対象に、血液培養、鼻咽腔培養を実施した。2007年2月からは院内で培養し、陽性となったものに対して塗沫グラム染色を油浸鏡検して診断し、以後の抗菌薬を選定した。菌の同定、薬剤感受性試験は外注した。血液培養を行った

 154例のうち14例(9.1%)で血液より病原菌を検出し、PRSPが8例、PSSPが5例, BLNASが1例であった。鼻咽腔培養を同時に行った13例ではいずれも菌血症の起因菌と同じ菌を検出した。血液培養を外注した当初の5例はいずれも検査結果の判明まで4日以上の時間を要し、PISPが起因菌であった2例で入院治療を要した。これに対し、院内で培養した9例ではいずれも翌日に外来で診断でき、グラム染色の結果を効果的な外来治療に反映できた。院内での培養は菌血症の速やかな診断、効果的な治療に有用と考えられた。


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