第15回近畿外来小児科学研究会:開催日 2008-11-23
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演題
インフルエンザとそれにともなう異常言動に関連する因子の解析
所属・演者
小児感染症研究グループ
   日比成美、藤原史博、生嶋 聡、綱本健太郎、橋田哲夫
抄録

【目的】 インフルエンザとそれにともなう異常言動に関連する因子について、07年と08年の2シーズンにわたって前方視的に検討したのでその結果を報告する。
【対象と方法】 インフルエンザ発症48時間以内から経過観察可能であった1581例を対象に、厚生省研究班の異常言動の分類をもとに検討した。
【結果】受診前に異常言動を認めたのは104例(6.6%)であった。残る受診前に異常言動を認めなかった1477例のうち、Osで治療されたのは1023例、Zaで治療されたのは239例、NAIが使用されなかったのは215例で、治療開始後異常言動を認めたのは、それぞれ102例(10.0%)、14例(5.9%)、16例(7.4%)であった。受診後の異常言動発症に影響を与えた因子について、20歳未満の1364例を対象にロジスティック重回帰分析したと ころ、A型, 低年齢, Os投与, 経過中の最高体 温, 発熱の遷延が有意に関連していることが分かった。
【結論】今回の検討は非ランダム化比較試験であり、NA阻害剤投与例に偏りが見られるが、インフルエンザ患者が外来を受診した時点で既に約7%の患者に異常言動が見られ、その後の経過の中で8-9%が発症し、全体としては15%前後に異常言動を合併すると思われる。


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