第19回近畿外来小児科学研究会:開催日 2010-11-14
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演題
小児科だからこそできる熱傷、外傷の湿潤療法
所属・演者
おかだ小児科医院  岡田清春
抄録
 湿潤療法とは熱傷や外傷などに消毒薬を使用せず、流水で洗浄し、ガーゼで覆うのではなく、種々の創傷被覆剤を使用して、損傷した皮膚の再上皮化をはかる治療法である。
 夏井睦医師がインターネット上で治療法を公開し、現在では多くの施設で実施されるようになっている。また、「ウエット療法」として、外来小児科学会のリーフレットにもなっている。
 従来、熱傷や外傷の治療は血まみれになり、こどもは泣きわめき、特に深い熱傷の場合、皮膚移植が必要となると言われている。そのため消毒や縫合の経験も少なく、その設備もないため、小児科医は敬遠していた。しかし、湿潤療法では消毒は不要であり、痛みや出血が少なく、ほとんどの外傷は縫合せず治癒可能であり、皮膚移植も要しない。こどものアドボケーターである小児科医こそ、痛みが少なくきれいに治る湿潤療法を行うべきであると考える。

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