第14回近畿外来小児科学研究会:開催日 2008-04-20
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特別講演(2)

演題
小児の出血性疾患の診断のアプローチについて
演者
嶋 緑倫
所属
奈良県立医科大学小児科
抄録
小児科の日常診療において「出血症状」に遭遇する機会は多い。出血症状に対する診断の第1歩は症状の観察である。出血部位、出血の程度、貧血の有無、全身状態の把握、疼痛や腫脹について評価する。小児の代表的な出血部位は皮下、鼻粘膜、口腔内粘膜であるが、消化管、筋肉や関節などの運動器、血尿および頭蓋内出血も決してまれでない。点状出血斑や鼻出血が中心の場合は血小板や血管の異常を、大きな斑状出血や関節筋肉内出血では凝固異常を疑う。診断の第2のステップは詳細な病歴および家族歴である。病歴では、先天性か後天性か、また、出血症状が反復する場合には出血性素因の有無が重要なポイントになる。出血症状の発症時期に関する聴取も必要である。家族歴では遺伝性の出血性疾患の診断上重要である。第3の診断ステップは検査である。通常は血小板数、出血時間および凝固スクリーニング検査を実施する。凝固異常の確定診断は凝固因子の測定による。

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