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12/22:ネットの医療情報 こう使う(朝日新聞)
 H11.12.22の朝日新聞(関東版)の朝刊に「ネットの医療情報 こう使う」というタイトルで日本インターネット医療協議会(JIMA)のインターネット上の医療情報の利用手引きについての記事が掲載されました。
 実は11月の末にこの記事の取材を受け、この「メディカル・ネチケット」のディレクトリのURLも紹介していただきました。記事をご覧になった方からたくさんのお問い合わせも頂きました。メディカル・ネチケットも「ネット医療利用手引のポイント」も簡潔に分かりやすくまとめて下さいました。さすが文章の専門家だと感激しております。
 またコメントを下さった白鳥則郎先生(東北大学教授(情報通信システム))は、 1999/01/27朝日新聞「論壇」で「ネットのルール作りに議論を」という投稿をされた先生です。白鳥先生の投稿は大変共感する部分が多くメディカルネチケットを考える際に大変参考にさせていただいております。
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1999/12/22 朝日新聞(関東版)の朝刊より

 「ネットの医療情報 こう使う」

インターネットを使った医療サービスが増えてきた。ホームページで健康情報
を流したり医療施設を紹介したり、電子メールで医療相談を受け付けたりして
いる。病気の早期発見などに役立つこともある半面、民間療法や商品購入に誘
われて戸惑うこともある。インターネット医療を利用しようという人が「適切
な情報を得られ、正しく使いこなせるように」と、患者・家族や医師らの団体
がネット医療の利用手引きを作った。

この団体は日本インターネット医療協議会(JIMA、事務局・東京)。ネット医
療の健全な発展を願う人たちで昨年6月発足した。手引きをまとめたきっかけ
は、ネット医療をめぐるトラブルが散見されるようになったからだ。

三谷博明・事務局長は、アトピー性皮膚炎の患者や医師らでつくる情報ネット
ワーク「COSMOSネット」を運営している。情報交換の場である電子掲示板では、
患者の体験談や医師のアドバイスがほかの人にも参考になっているが、以前は
個別の食事療法やスキンケア、商品を宣伝する書き込みもあった。この病気で
特定の薬を使う医師たちを非難するホームページもあるという。

JIMA運営委員長の小児科医西藤成雄さんによると、電子メールの医療相談で子
どもの命が助かった例がある。おう吐を繰り返す乳児の親が別の小児科医へメ
ールで相談したところ、生まれつきの病気の疑いを教えられ、総合病院で診断
の結果、緊急手術をして救われた。

しかし、「体質改善にいいお米がある」といった宣伝のメールがあったり、
ネットの通販で買ったコンタクトレンズで目に異常が起きたりしたケースが出
ている。美容整形や不妊治療などを手がける医療施設のホームページは事実上
の広告となっており、厚生省の認可していない薬の宣伝も増えているという。

「あふれる医療情報から身を守ろう」(西藤さん)と出来たのがネット医療の
利用手引だ=表。全文は西藤さんのホームページ上(http://www.kodomo.co.
jp/medneti/index.htm)、要旨はJIMAのホームページ(http://www.jima.or.
jp)にある。

手引作りにかかわった花井荘太郎・国立循環器病センター高度情報専門官はネ
ット医療について「患者さんの知識が増え、意思も治療方針が説明しやすくな
った」と評価しつつ、「情報は玉石混交。良いものも悪いものも同列で流れて
くる」と指摘。「手引の狙いはネット医療をより使いやすく、身近なものにし
ていくために、阻害要因を取り除くこと」と説明する。

JIMAは情報提供者の明示などを求めた医療情報発信者ガイドラインも作ってい
る。

JIMA理事長の辰巳治之・札幌医科大学教授は「利用手引を小冊子にするなどし
て幅広く意見を聞き、よりよいものにしていく一方、安心して利用できるホー
ムページがどのくらいあるか実態調査をしたい。ホームページを評価するシス
テム作りも検討している」と話す。


インターネット全般のルール作りを提唱している白鳥則郎・東北大学
教授(情報通信システム)の話

光と影の両面があるインターネットを発展させようという先進的な試みだ。ネ
ット医療の利用手引は注意点がよく整理されており、医療用語を商業用語に置
き換えるとインターネットショッピングの心構えになるし、一般的な言葉に換
えればインターネット情報の利用指針に通じる。様々な分野でルールが議論さ
れるステップになってほしい。

 ネット医療利用手引のポイント
 【ホームページの情報】
 ○質の高い情報を選ぶ
   公共の機関からの発信
     情報の根拠や出典が明らか
   発信者や所在地、電話番号などが明示
 ○だれにでも有効とは限らないと心得る
 ○情報を使う際は必ず主治医と相談
 【電子メールによる相談】
 ○不利益が生じても回答者に責任を問わない
 ○メールアカウントは個人のものを使う
 ○匿名の相手は避ける
 ○緊急の相談や重大な相談はしない
 ○営利目的のダイレクトメールは要注意
 【電子掲示板やメーリングリスト】
 ○個人が特定される記述は避ける
 ○特定の医療機関や関係者を名指ししない
  (日本インターネット医療協議会による)

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