タイトル:メディカル・ネチケット


医療情報・医療情報支援の定義

このディレクトリが定義する医療情報とは
「医療情報とは?」とあらためて考えてみるとなかなか定義は難しいものです。このディレクトリではネットワーク上で利用者が自分や家族の健康や疾病のために得ようとした情報を医療情報と定義することにしました。

医療関係者から見れば、医療関係者が発信した情報のみが医療情報と捉えがちです。しかし患者から見れば必ずしもそうではない事に最近気付きました。代替療法(民間療法)や時にはヤブ医者リストも、患者からみれば極めて大事な情報として目に映っています。この点を医療関係者は心しておくべきだろうと思っております。

電子カルテやX線フイルムの画像データーなどももちろん医療情報です。そしてこれらもインターネットやもしくは医療機関のネットワークを構築しやり取りを使用という試みがなされています。しかしこららは利用したいと思ってもすぐに誰でもが閲覧できるものではありません。

このディレクトリで話題を広げていきたいのは、インターネットなど誰でも利用できるネットワークを利用し、不特定の患者を対象として公開されている情報です。

そして、QOLの向上を目的として不特定の患者にもネットワーク上で情報を提供することを医療情報支援と定義しこのディレクトリーのテーマとしました。

医療情報支援の分類
インターネット上で行われている医療情報支援には、大きく次のような形態に分けられます。
電子メールによる医療相談

患者からの相談に対して医師が個々に回答する形態です。「このページの開設について」で紹介したしたように、突然知らない患者さんから相談のメールがやってくるなどというのがこの形態です。また、不特定多数の患者さんからの相談を受け入れている「仮想病院」などと称されるものが代表的と思われます。しかし電子メールでのコミュニケーション以外に実際には以下に示すようなさまざま形態で患者さんへの情報支援がインターネット上で行われています。

電子掲示板システム、メーリングリストを用いた医療相談

患者からの相談に対して複数の医師が回答可能で、その投稿とコメントを第三者が閲覧できるものです。代表的なものがパソコン通信で行われていた医療相談が当てはまります。最近は簡単に掲示板システムがWebページで構築できるようになり、インターネット上でもよく見かけるようになりました。

またインターネットでは掲示板システムよりもメーリングリストが盛んに活用されてい留と思います。ただしそのなかでどの程度医療情報が取り交わされているのかは定かではありません。メーリングリストの特徴は、電子会掲示板システムに比べると発言を読める人は制限されていますが、関心の高い方が集まっていると言えます。また誰かの投稿は配送されてしまうと取り消せないのが欠点です。その点電子掲示板システムは間違った情報が配布されるの最小限で抑える事が可能です。

ホームページ(Webページ)による医療情報の記載

インターネットに市民権を与えたのがこのホームページ(Webページ)です。疾病や健康増進に関する情報をWebページに掲載したもので、不特定多数の患者が閲覧できるものです。文字だけでなく絵も動画、音声なども表現する事が可能で、閲覧した方に強い印象を与えます。医療情報支援の中では最もこの形態を取るものが多いと思います。誰でも手軽に情報を発信することができますが、ただ誰が情報を利用したのか把握しにくい欠点も持っています。

遠隔医療

遠隔地にいる患者さんの状態が把握できたり時には治療が行えたりするものです。特に目覚ましいのが、特定の患者の状態を把握するのに画像通信機器などを用いてコミュニケーションを取る方法です。

現在いくつかのサイトで行われている医療相談ですが、これは遠隔医療に当てはめていくのがよいかどうか少し悩むところです。特定の患者さんからの相談なら遠隔医療・遠隔ケアーに該当するかもしれません。しかし、不特定の患者を対象とした情報提供は医療関係者の善意に基づく活動なので、いましばらくは遠隔医療とは別に考えた方が良いと判断しました。

ただし遠隔医療については、もうこのディレクトリーであらためてテーマにする必要もなく、実施するうえでガイドラインについての大変良いホームページがあるのでぜひご覧下さい。

医療情報技術の総合的評価と推進に関する研究
 http://square.umin.ac.jp/~enkaku/Welcome.html

NTTが発売しているPhenix System などを用い比較的簡単に遠隔地の患者さんの様子を見ることが出来るようになりました。しかし、これはネットワーク上で行われているものではなくてISDNで1対1で結ばれた環境ですから、ネットワーク上の医療情報支援か?と言われると逸脱するところもあります。今日ではトラフィックの渋滞などからインターネットを経由して臨床に利用できるリアルタイム動画像通信はまだありませんが、インフラが整い画像圧縮技術が進めば、将来的必ず実現するだろうと思われます。

また画像通信に限らず、遠隔地にいる患者の状態が把握できるものであればよいのですから、喘息患者が記録するピークフロー日誌などをWebでやり取りする試みは遠隔医療の一つに当てはまるかもしれません(手前味噌で申し訳ありません)。


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