第17回近畿外来小児科学研究会:開催日 2009-11-08
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演題
インフルエンザAに対するOseltamivirの評価
演者
○日比 成美、生嶋 聡、藤原 史博、綱本 健太郎、橋田 哲夫
所属
小児感染症研究グループ
抄録

【目的】 これまで我々は、FluBに対してはOseltamvir(Os)を使用する意義は少なく、FluAについてもOsを投与せずとも速やかに解熱するグループがあり、患者年齢と診断前最高体温がその判断の手がかりとなる可能性を示した。そこで、今回はこの3年間のデータを基に、FluAに対するOsの意義についてさらに検討した。

【対象と方法】 2007-2009年のインフルエンザ流行期にFluAと診断した患者に調査用紙を配布し臨床経過を追跡した。Os非投与群(None)の多くは14歳以下であったことから、今回は1-14歳のFluA1023例(None群209例、Os群814例)を対象に、Osの効果を治療開始後48時間の解熱率(48FF)、各群の90%が解熱するまでに要した時間(TRF90%)などを指標に比較検討した。

【結果】48FFおよびTRF90%は、それぞれNone群53.1%/108hr、Os群75.7%/84hrで、Os投与により病期の有意な短縮が観察された。しかし、年齢7歳を基準に検討すると、7歳以上の患者での48FFおよびTRF90%は、それぞれNone群(n=65) 72.3%/96hr、Os群 (n=222) 82.9%/120hrとOsによる病期の有意な短縮は観察されなかった。

【結論】 FluAに罹患した7歳未満の患者に対するOsの有用性は明らかであるが、7-14歳の子どもについては、Osを使用せずともその7割は48時間以内に解熱し、Os投与群と有意な差が見られなかった。


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