第14回近畿外来小児科学研究会:開催日 2008-04-20
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演題
インターネットで購入したてんかん患者向け「漢方薬」にフェノバルビタールが入っていた
演者
おおたにクリニック  大谷 和正
抄録

 症例は20歳、女性。結節性硬化症と焦点性てんかんを有する。5歳時よりてんかん発症。難治に経過しており、現在睡眠中二次性全般化けいれんが月に数回みられる。バルプロ酸、プリミドン(PRM)を投与中であったX年Y月、フェノバルビタール(PB)濃度が59μg/mlと高値であった(PRM:12μg/ml)。その6ヵ月前はPB:24、PRM:13μg/mlであった。この間AEDsの変更はなかった。原因不明のため連絡を取ると1ヵ月前より、母親がインターネットで購入した「癲克星」という漢方薬を服用していたことが判明した。本剤の添付文書にはPB含有の記載はない。しかし、本剤の服用による有害事象はすでに報告されており(Pediatrics、2002)、PBと臭化物の含有が指摘されている。慢性疾患患者が漢方薬を服用することは多々みられるが、添付文書にはない成分が入っている可能性があり注意が必要である。


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