第4回近畿外来小児科学研究会・一般演題抄録
演題
運動発達遅延児から見たこの10年間の育児の変化
演者
○周山逸人、山岡小百合
所属
大阪市立心身障害者リハビリテーションセンター
抄録
 近年、少子化、核家族化や晩婚化が進み、それに伴う養育状況も変化し、家庭療育にどのような影響を示したかについて検討した。
 対象:平成4年から13年の10年間に当センターに訓練をうけて月齢40か月までに歩行を獲得した105症例を対象にした。
 方法:前5年間の37症例(A群)と後5年間の68症例(B群)とに分けて、それぞれの初診時年齢、発達、DQなどを比較し検討した。
 結果:初診時月齢は、両群ともに10か月であり、1歳以下の症例は、A群86%であり、B 群80%であった。初診時に腹ばい獲得した症例は、A群76%であり、B群64%であった。
 考察:近年受診者数が増加していた。A群のDQが有意に低く月齢12か月までに受診したのも多く、腹ばいまで獲得していた症例も多かった。DQの高いB群の腹ばい獲得の遅れは、経験不足と思われる。訓練指導による改善も著しかった。このことは、養育状況に運動発達が影響される事が示唆されると考えられる。