第1回近畿外来小児科学研究会・一般演題抄録
演題
乳幼児の結核予防対策に関わって
演者
○服部益治(医),谷澤隆邦(医)
所属
兵庫医科大学小児科(兵庫県西宮市)
抄録
【目的】国は1999年7月「結核緊急事態宣言」を行い結核の再認識を啓蒙している。当科は大学病院のある西宮市の乳幼児結核予防対策に関わってきたので、その実態を検討した。【対象】西宮市在住の4歳未満の乳幼児。【結果】ツベルクリン反応の初回陽性者は1%弱となってきた。BCG接種平均年齢は、1996年度8.9ヶ月、1997年度8.1ヶ月、1998年度7.3ヶ月、1999年度5.9ヶ月と年々低下し乳児早期に接種する傾向がみられた。【まとめ】ツ反の初回陽性者は,ツ反再検時に陰性である「false positive」を考慮した対応が重要と思われた。初回BCG接種年齢の低下は、「結核緊急事態宣言」をはじめ市の啓蒙活動およびそれに伴う親の意識向上によるものと思われた。BCGのさらなる早期接種のために西宮市では2001年度からツ反・BCG接種の啓蒙活動の強化も準備しており、全国的にも益々の啓蒙活動が望まれる。