児童・生徒の運動能力・体力が低下傾向

背景に「外で遊ぶ」減る

 県内の子供たちの運動能力や体力が低下傾向にあり、とくに走力や持久力、遠投力などの落ち込みの激しいことが、県教委の調査結果で分かった。テレビゲームや受験勉強などで、外で遊ぶ機会が減ったことが背景にあるとみられ、県教委は「体育の授業だけでなく、自発的に運動に取り組む環境を整えたい」と話している。 

 調査は昨年十月、県内の公立学校に通う小学校五年ー高校三年の計約十万七千人を対象に実施した。反復横飛び、背筋力などの「体力診断テスト」(七種目)と、五十メートル走や走り幅跳びなどの「運動能力テスト」(学年により五ー六種目)で、データを一九九八年度の結果と比較したほか、過去二十五年間の推移や九七年度の全国と県の比較をまとめた。

 十年前との比較では、調査した百九十六項目のうち百四十二項目(七二・四%)で記録が劣っていた。とくに運動能力テストでは、八十四項目のうち小学男子のジグザグドリブルなどを除く八十一項目が下回った。

 各記録では、高二男子の懸垂が一〇・〇二回から六・八七回に、小五男子のソフトボール投げが二九・九五メートルから二六・四七メートルに、中一女子の持久走(千メートル)が六分〇秒三四から六分二六秒九〇に低下したのが目立っている。全学年共通の五十メートル走は〇・一二から〇・三三秒、走り幅跳びは一一・七〇から二四・七七センチ低下している。

 また、全国との比較では、四十項目が上回り、七十二項目で下回った。小学生の連続逆上がりが大きく劣っているほか、学年が上がるにつれて劣っている項目が増える傾向にある。

 県教委では今後、体育関係の指導者を学校に招くなどの具体的な対策を検討していく方針。


平成11年5月12日 朝日新聞滋賀県版より


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