ももんがの森から 1997/12/15

かぜの予防


うがい
冬になると、インフルエンザの予防として子ども達が並んでうがいをしている写真が新聞紙上で紹介される。あるいは外出から帰宅したら、うがいをしましょうと薦められる。どこまで効果があるのだろうか?かぜの原因の大部分はウイルスであり、気道感染である。多くのかぜウイルスは、鼻粘膜や気管・気管支粘膜に付着すると、短時間のうちに感染が成立する。うがいは咽喉部に作用するが、鼻粘膜や気管などの気道を洗浄できない。まして感染が成立したウイルスを細胞から排除するのは不可能である。低温乾燥は、気道の抵抗力を低下させ、感染しやすくなるし、うがいは咽喉部の清浄化・ウエット化という意味はあろう。一方、紅茶や緑茶あるいは番茶を通常飲む濃度の4〜5倍に希釈した液でうがいをすると、インフルエンザの子防に有効とする発表もある。

手洗い
かぜをひくと、咳、くしやみ、鼻水が出るし、特に鼻かぜでは鼻水が出て、鼻をかむことが多い。ヒトは無意識にも顔に手を触れることが少なくないが、かぜをひくと、その頻度が高くなる。かぜウイルスが着いた手で握手をしたり、ドアのノブや器物に手を触れて伝播を繰り返すことになる。

マスクの効果
マスクでは、乾燥飛散Lたウイルス粒子の侵入を防ぐことはできない。一般的に健康者のかぜ予防にマスクの効呆は期待できないが、患者のマスク使用は、低温乾 燥の空気の刺激から気道の保護になり、咳やくしやみでウイルスを含む鼻汁や択の粒子を周囲にまき散らすことの防止に有効である。また、医療関係者のマスク使用は、忠者の咳やくしやみからの大きな飛沫核感染の防止に有用であると考える。


モモンガの森から

 西藤こどもクリニック