ももんがの森から 96/10/15

アメリカでの乳幼児突然死症候群の減少


MMWR96年11月11日より
◆Sudden Infant Death Syndrome -- United States 1983-1994SIDSは年々減少しているが、1983-1989年の3倍以上の速さで1990-1994年には減少している。preliminaryのデーターでは1995年は1994年より18.3%も減少している。1990年にうつ伏せ寝とSIDSの関係が指摘され1992年には米国小児科学会もうつ伏せ寝を避けるように勧告した。1994年には"Back to Sleep"キャンペーンが全国で行われ、うつ伏せ寝を避けることのほか、タバコ喫煙や過熱を避ける母乳を勧めるなどSIDSの他のリスクについてもキャンペーンが行われた。1992年から1995年にかけてSIDSは30%減少した。うつ伏せ寝は1992年の78%から1994年には43%に減少した。他の国の調査でもうつ伏せ寝の減少とともにSIDSも50%近く減少している(Willinger M. SIDS prevention. Pediatr Ann 1995;24:358-64.)。

注:SIDS 乳幼児突然死症候群の略語です。

 欧米では赤ちゃんをうつ伏せ寝させるお母さんが多いそうです。それはミルクなどを間違って吐いてしまったときのことを考えて、うつ伏せ寝がよいとされていたのです。その考えが日本にも入ってきて、一時うつ伏せ寝が勧められた時期があったようです。実際には日本布団では嘔吐した場合に布団に顔が埋まってしまい窒息するケースが見られたそうです。その報告以後は、日本では事実上あお向け寝のお子さんが多いように思っております。

 もちろん統計の結果は大事ですが、「うつ伏せね」であろうと「あお向け」であろうと、お子さんは元気に育つことを忘れないで下さい。以下の本をお勧めします。

  小児科医からみた赤ちゃんの「うつ伏せ寝とあお向け寝」
   戸苅 創 著 メディカ出版


モモンガの森から

 西藤こどもクリニック