日本語喘息用語全文検索エンジン(Asthma Search in Japan)の稼動と運用について

○西藤成雄(滋賀医科大学小児科 現:西藤こどもクリニック)、野々村和男(守山市民病院)、青谷裕文(滋賀医科大学小児科)
■名称 第18回滋賀県小児アレルギー研究会
■日時 2000年9月2日(土) 16:00〜18:00
■場所 ホテルニューサイチ アネックス(大津市)


抄録

今日インターネット(以下 INET)の利用者人口は約2000万人に達し、世帯普及率も24.6%に達した。そして家庭における医療・健康に関する情報のニーズは高い。

INETは誰でも簡単に情報を発信できる事から、十分に検証されていない事実でも公開されている。特に営利目的の民間・代替療法に関する情報が取り交わされていることは度々目撃され、INET上の医療情報を患者に勧める事については懐疑的な意見もある。

そうした不適切な医療情報への到達経路の紹介に、商用検索エンジンが深く関わっていることが最近問題視されている。

商用検索エンジンではホームページ(以下 HP)の登録は依頼に応じて行っており、その際、医学的な妥当性に関しては検討されていない。健康や身体に影響を及ぼす情報でありながら受取手への影響について配慮も無くHPが紹介されることに疑問を感じた。

そこで、開設目的が喘息患者の福利に適い医学的に妥当性のある情報を掲示しているHPのみを登録した検索エンジン「日本語喘息全文検索エンジン(Asthma Search in JAPAN)」を運用してみることにした。

検索エンジンは General Public License(GPL)に基づいて無償で配布されているプログラムを用い、医療分野でも特に喘息・アレルギー分野の用語に関して強化を行った。登録は主に医療機関や医療関係者、そして患者会などのHPを行った。また検索エンジンをどのHPからでも利用できるように、当該HP管理者に運用方針を説明し検索フォームの取り付けも呼びかけた。

平成12年6月より運用を開始し2ヶ月で1700回以上の利用があった。どういったキーワードで利用されたかの記録が残され、これは今日喘息患者が求めている情報を反映していると考えられ大変興味深い。

日常遭遇する問題の解決に常套手段となりつつあるINETであるが、患者がINETに求める情報とINET上の医療情報の問題点について検討を行いたい。

URL:

■ 日本語喘息全文検索エンジン(Asthma Search in JAPAN)
http://hope.shiga-med.ac.jp/search/


発表スライド

日本語喘息用語全文検索エンジン(Asthma Search in Japan)の稼動と運用について


学会発表
 西藤こどもクリニック