ランチョンセミナー

内科医が診た小児気管支喘息

○宮武明彦
医療法人宮武内科

【目的】気管支喘息専門診療所を目指し10年が経過したのを契機に、小児気管支喘息患者に対しどのような治療を行ってきたかを再検討した。
【対象・方法】当院への初診時年齢が20歳以下の症例360例について、治療内容を中心に検討を行った。1998年1月24日(於;藤沢薬品工業大阪本社)第22回気管支喘息勉強会「思春期・青年期喘息患者が適切な医療を受けるために」では、107例(5−25才)の小児気管支喘息患者の治療内容について考察を加え発表を行った。要旨;初診時、治療開始時点での中心治療はDSCG吸入とBDP吸入であり、DSCG吸入は87%の症例に対して投与が行われ、特に、5−9才の症例群に対しては97%の高率であった。また、BDP吸入療法は72.3%の症例に開始され、20−25才の症例群に対しては88%であった。気管支喘息の発症メカニズムは年齢差を認めず、成人・小児を問わず基本的には変わらないものと理解されている。この観点から当院では、小児気管支喘息患者に対しても成人喘息患者に準じた治療法を行って来た。その結果として、学校を休まず健康児とほとんど変わらない日常生活を送ることが可能となり、高いQOLが得られたと考えている。
 今回のセミナ−「気管支喘息の治療」では、当院において成人と同様の喘息治療を施された小児喘息例に対し、特に、長期通院加療が実施された症例を中心に考察を加えたい。


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[第19回日本小児難治喘息・アレルギー疾患学会]
大阪府立羽曳野病院アレルギー小児科