ご挨拶

 ようこそなにわに。大阪での開催は、第8回(豊島会長)、第16回(末廣会長)に続き3回目になります。本学会の基本理念をふまえ、医療、教育などの多職種間の対話と協力体制の活発化ということに加えて、アレルギー疾患小児にかかわるより広い領域とのコミュニケーションも志向して、プログラムを企画しましたところ、関係各方面から暖かいご支援をいただき、また多くの一般演題をいただきましたことを、厚く御礼申し上げます。

 こども自体が1つの異文化であるという考えもありますが、1つの文化のなかでこどもをとらえる視点とは何かを考え、国立民族学博物館名誉教授の杉本尚次先生に特別講演をお願いしましたところ、「異文化理解への道 −南太平洋サモアのフィールドワークから−」という演題で、快く引く受けてくださいました。こどもにかかわる領域すべてにとって、極めて示唆に富むものと信じています。

 また、アレルギー疾患のコントロールに、いろいろな薬剤が開発される一方で、そもそも、なぜ近年アレルギー疾患が増加しているのだろうかという問題が今後ますます大きくなってくると思われます。アレルギー疾患の遺伝と環境に関しては、まさに先駆者の京都大学の白川太郎先生に「なぜアレルギー疾患は増えているのか」という演題で特別講演していただけますことを、非常な楽しみにしております。

 近年の情報ネットワークの普及は目覚ましいものがあり、インターネットの普及は、単に便利な器械であるということのみならず、その根底にある発想は、医師−患者関係のパラダイムそのものを大きく揺さぶっているといっても過言ではありません。「特別セッション:インターネット時代の喘息児患者教育」での、活発な討論を期待しております。

 さらにミニシンポジウム「気管支喘息における理学療法」、「症例から学ぶ」、 オープニングレクチャー「アトピー性皮膚炎の治療」、ランチョンセミナー1「 気管支喘息の治療」、ランチョンセミナー2「食物アレルギーについて」と、いずれも、もっとも活発に活動をつづけておられる先生がたに演者をお願いできましたことを、感謝の気持ちでいっぱいに思っております。

 大阪には、昨年大阪城を背景にして、大阪歴史博物館がオープンしました。階上からは難波宮跡が一望でき、はるかに往時の大陸との交流に思いをはせることができます。また会場の大阪国際会議場の西にUSJがあり、開園以来大繁盛しており、ここは日本の東の隣国との、交流の接点かもしれません。

 アレルギー小児にかかわる各領域の交流の場を用意させていただきながら、 5月の中之島でお会いする日を楽しみにしております。

 
第19回日本小児難治喘息・アレルギー疾患学会
会長  土居 悟
 

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[第19回日本小児難治喘息・アレルギー疾患学会]
大阪府立羽曳野病院アレルギー小児科