川崎病について

質問
私の長男(生後半年くらい)のことなのですが、ここ1週間ほどの高熱にともない、川崎病との診断を受けました。原因不明で対症療法的に見守るほかないと聞きましたが、そのような理解でよろしいでしょうか。また、家族親族としては、今後の生活面でどのような配慮をしていくべきでしょうか。

お教えいただければ有り難く存じます。どうかよろしくお願いいたします。


お答え
川崎病はその名の通り川崎氏が1967年に原因不明の発熱を主徴とした特有の身体所見を有する疾患を報告したのが始まりです。ほとんどが4歳以下の乳幼児に起こり、日本に多く海外に少ないのも特徴です。その主要症状は以下の通りです。

 1.5日以上続く発熱
 2.四肢末梢の変化(硬性浮腫、膜様落せつ)
 3.不定形の発疹
 4.眼球の充血
 5.口唇の紅潮やイチゴ状の舌などの口腔内の変化
 6.非化膿性の頚部リンパ説の腫脹

特に重篤な合併症として心臓を養う血管である冠状動脈に動脈瘤を来すことが知られています。心筋梗塞を起こすことがありその致命率は0.3〜0.5%と言われています。

>>原因不明で対症療法的に見守るほかないと聞きましたが、
>>そのような理解でよろしいでしょうか。

確かに原因は不明で根本的な治療はまだ明かではありません。ただし、重篤な合併症である冠状動脈の動脈瘤を防ぐためにガンマーグロブリンの投与がよく行われます。川崎病の致命的な合併症はまずこの動脈瘤であり、これによりかなり高い確率で動脈瘤の合併を防げます。

(対症療法とは、発熱で苦しんでいるのなら解熱剤を、痛みで困っているなら鎮痛剤をと言う具合に、症状を抑える治療を指します。川崎病の根本的原因は不明とはいえ、動脈瘤を防ぐ目的でのガンマーグロブリンの投与は対症療法とは言えないと思っております。)

>>家族親族としては、今後の生活面でどのような配慮をしていくべきでしょうか。

罹病後の注意点は冠状動脈にどの程度の病変を残したかで大きく異なります。軽い川崎病の場合ほとんど冠状動脈に変化を起こさないので数年の経過観察で日常生活はまったく制限がいらない場合もあります。一方、重症の川崎病では冠状動脈に多数の巨大な動脈瘤を作り、絶えず心筋梗塞の危険があります。そう言った場合は血栓(血液の固まり)を予防するためのお薬を内服し続ける事があります。

冠状動脈の変化については主治医の先生から必ず説明があると思います。そして程度に応じて日常生活の注意点を伝えて下さると思います。


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