テオフィリンの血中濃度は様々な要因や併用薬剤の影響をうけて、予想とは異なった濃度になる場合があります。テオフィリンの血中濃度に影響を及ぼすとされている要因・薬剤を表にしました。■ 以下の表は日研化学が発行された「テオフィリンクリアランスに影響を及ぼす要因」の表をHTML化しました。
[ ]内は商品名、( )内はクリアランス変動率
要 因 テオフィリンクリアランス 低下(血中濃度上昇) 増大(血中濃度低下) 年 齢 ●未熟児
●60歳以上の高齢者(軽度)●6カ月〜17歳(いわゆる小児〉 体 重 ●著しい肥満(IBWの200%) 食 餌 ●高炭水化物・低蛋白食の長期摂取
●大量のメチルキサンチン類含有物の摂取●低炭水化物・高蛋白食の長期摂取
●大量のこげつき肉など習 慣 ●大量の飲酒 ●喫煙(20本/日以上) 合併症 ●肝硬変
●心不全および肺性心
●肺炎、慢性閉塞性肺疾患
●発熱、ウイルス性上気道炎●嚢胞性線維症(cystic fibrosis)
●甲状腺機能亢進症薬
物
相
互
作
用抗生物質 ●エリスロマイシン[アイロゾンなど]
(5〜35%↓)
●クラリスロマイシン[クラリスなど](16%↓)
●ロキシスロマイシン[ルリッド](14%↓)●リファンピシン[リファジンなど](20〜82%↑) 抗菌剤 ●エノキサシン[フルマーク](42〜74%↓)
●シプロフロキサシン[シプロキサン]
(25〜55%↓)
●トスフロキサシン[オゼックスなど]
(20〜34%↓)
●ノルフロキサシン[バクシダールなど]
(15%↓)
●ピペミド酸三水和物[ドルコールなど]
(45〜49%↓)β−受容体
刺激剤●イソプロテレノール[アスプールなど]
(21〜45%↑)
●テルブタリン[ブリカニールなど]
(12〜23%↑)β−受容体
遮断剤●プロプラノロール[インデラルなど]
(30〜52%↓)H2−受容体
遮断剤●シメチジン[タガメットなど](8〜39%↓)
尿酸生成
抑制剤●アロプリノール[ザイロリックなど]
(21%↓)抗けいれん剤 ●フェノバルビタール[フェノバールなど]
(33%↑)
●セコバルビタール[アイオナールナトリウム](340%↑)
●ペントバルビタール[ラボナ](95%↑)
●フェニトイン[アレビアチンなど〕(35〜75%↑)
●カルバマゼピン[テグレトールなど](50%↑)ワクチン製剤 ●インフル工ンザワクチン※(25〜50%↓)
●BCGワクチン(20%↓)そ の 他 ●チクワピジン[パナルジンなど](37%↓)
●メキシレチン[メキシチールなど](50%↓)
●α−インターフェロン[スミフェロンなど](10〜50%↓)
●β−インターフェロン[フェロンなど]
(26%↓)
●ベラパミル[ワソランなど](14〜23%↓)
●経口避妊薬(25〜34%↓)
●イプリフラボン[オステン](26%↓)
●チアベンダゾール[ミンテゾール]
(50〜66%↓)
●アミオダロン[アンカロン](17〜48%↓)
●シクロスポリン[サンディミュン]
●ハロタン[フローセンなど]
●ジルチアゼム[ヘルベッサーなど](12%↓)
●アシクロビル[ゾビラックスなど〕(31%↓)●ランソプラゾール[タケプロン](7〜17%↑)
●リトナビル[ノービア]※高純度ワクチンでは起こらないという報告がある(洞井由紀夫、石崎高志: PharmaMedica 6:55−61, 1988. および Upton R. A. , Clin. Pharmacokinet. 20: 68-80, 1991. より 一部改訂)