テオフィリン薬と市販薬(OTC)の併用について

一般の薬局で販売されている医薬品の中には、テオフィリンやアミノフィリンを含む薬剤がいくつかあります。その多くは、乗り物酔い止め薬と鎮咳去痰薬です。商品名からは、テオフィリンやアミノフィリンの含有を推測する事ができないため、テオドールを処方する際には、これらの薬剤が、あらかじめ投与されているかの確認をお願いします。下記一覧表をご参照下さい。
なぜ乗り物酔い止め薬にテオフィリンが含まれているか

キサンチン系薬剤が乗り物酔いの効果があると分かったのは、1940年代のことです。当時テオフィリンを服用中のアメリカ海兵隊の喘息患者が、風邪をひいた際、抗ヒスタミン剤と共に服用したところ船酔いをしなかったという事実から、キサンチン系薬剤を抗ヒスタミン剤と配合した処方が鎮うん用のOTCとして開発されたといわれています(※)。

キサンチン系薬剤の乗り物酔いに対する起序は、中枢神経に作用する事により、感覚の混乱の本になる異常感覚入力を抑制し乗り物酔いを予防していると考えられている。OTCとして配合することで、他成分の抗ヒスタミン剤、抗アセチルコリン剤、鎮静剤にみられる「眠気」などの副作用を軽減する事も期待されています。

■ 以下の書籍・文献をもとにしました。

OTCハンドブック2 1995-1996 −基礎から応用まで−
(株)学術情報センター(SIDIC)

※深井三郎著:第5版今日の新薬、P66-70(薬業時報社,1988)

OTCでキサンチン系薬剤が含まれている鎮暈薬(乗り物酔い止め薬)

 商 品 名 販売社名 1日投与量に占めるテオフィリン(mg)







センパア内服液
センパアA
こどもセンパア液
ヨイレス液
カムニス液
アーター錠
スヨロミン内服液B
セイブ
大 正 製 薬
大 正 製 薬
大 正 製 薬
日 水 製 薬
日野薬品工業
協和薬品工業
三 宝 製 薬
小林薬品工業
20〜40
50
15〜30
30〜60
30〜60
40〜80
20〜40
30〜60








アーター内服液

小児用アーター内服液

小児用トマロン内服液

協和薬品工業

協和薬品工業

協和薬品工業

32〜64

16〜32

16〜32

OTCでキサンチン系薬剤が含まれている鎮咳去痰薬

  商 品 名 販売社名 1日投与量に占めるテオフィリン(mg)







せき止めアネトン顆粒

ミルコデ錠

ファイザー製薬

佐 藤 製 薬

120〜160

300









強力アスメトン

マヤアスト錠

三   共

摩耶堂製薬

20〜12

約12.4〜112

出典:(財)日本医薬情報センター編一般薬日本医薬品集(96年度版)
 注: アミノフィリンのテオフィリン換算係数は、0.8で計算しています。
 注: 上記の薬剤は、96年10月時点で記載されているものです。

■ 以上の表は日研化学が発行された「テオドール豆知識シリーズ No.4」の表をHTML化しました。


こどもと喘息治療内服薬キサンチン系薬剤
 西藤こどもクリニック