ピークフローメータの数値の読み方・考え方

自己のベストピークフロー値

気道に病変を持たない健常者のピークフロー値が発表されています。お子さんの場合ですと、身長に応じた正常のピークフロー値も発表されています。しかし、喘息の患者は必ずしもこれらの数値にとらわれる必要はないとされています。絶えず自己のベストピークフロー値になるようにコントロールされるべきと言われています。では自己のベストピークフロー値とは、どういったものでしょうか。喘息の自覚症状はなく、朝と午後のピークフローの変動が少ない状態が2週間以上続いたときのピークフローを指します。それは先程も述べましたように、健常者のピークフロー値と必ずしも同じになるとは限りません。普段はこの自己ベストピークフロー値を目標にコントロールされます。

ピークフロー値の低下

これはすなわち気管支の収縮、つまり喘息発作の前兆を示しています。自覚症状が無くてもピークフローメーターは敏感に反応してきます。

ピークフロー値の日内変動
ピークフローは一日中一定ではありません。起床時と日中の午後の1日2回の測定が勧められています。喘息発作時を除いて、起床時のピークフローが一日で最も低く、午後から(だいたい2時くらい)のピークフローが最も高いとされています。これは自律神経や外界の影響を受けて気管支の状態が絶えず変化している事を意味しています。20%以内の変動なら健常者でも観察されます。この変動がそれ以上に大きい場合は、気管支の反応が敏感になっており、喘息発作の起こりやすい状態になっていると考えられています。

 → 参考ページ:JavaScriptによる日内変動率の計算


グローバルストラテジーより

お子さんにグローバルストラテジーを当てはめようとすると、むずかしいところがあります。参考として読んでください。

WHOと米国国立心・肺・血液研究所(National Heart, Lung and Blood Institute)が発表した喘息管理グローバルストラテジー(Global Strategy for Asthma Management and Prevention, GSAMP, グローバルストラテジー)では、喘息さんの自己管理にピークフローメーターの使用を勧めています。その中で患者さんへの分かりやすい説明として、ピークフローメーターの数値を以下の3段階に分けています。

グリーンゾーン
安全: ピークフロー値は、予想値または個人の自己ベストの80〜100%。日内変動は20%未満
日常生活や睡眠に影響はなく、喘息症状もほとんどない(理想的には全くない)状態です。
イエローゾーン
注意: 喘息症状(夜間症状、活動減弱、咳、喘鳴、運動時または安静時の胸部圧迫感)が認められます。
ピークフロー値は自己ベストの60〜80%
日内変動は20〜30%
レッドゾーン
喘息警告: 安静時にも喘息の症状があり、日常生活に支障を来す状態。
ピークフロー値は、予想値または自己ベストの60%未満


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