環境整備について


ペットをどうしようか、、。

最近ネコのアレルギーを指摘されました。
ご指摘の通り最近ネコのアレルギーは増えてきたようです。最近、ネコに関する質問ばかり頂きます。これはどうしてでしょうか。ネコを飼う人が増えてきたためか、野良猫がふえたためでしょうか。ネコの抗原性(アレルギーの起こし易さ)は高く問題は深刻です。
ネコを飼ってないのにアレルギーがあるとしてきされました。
「地球はネコで汚染されている」いった格言を述べた研究者がいるくらい、ネコの抗原(アレルギーを起こす物質)は地上にあふれています。知らない間にネコに感作したのだと思います。ネコの抗原が無いところといえば南極か北極など寒くてネコが住めないようなところだけだそうです。
これから生まれてくる赤ちゃんにも影響は出ますか。
生まれたときからすでにネコに対するアレルギーを持っていると言うことは少ないと思いますが、しかし早晩に感作される可能性はあると思います。家庭内にネコの抗原(上皮)がたくさん飛散していると思うので、お産の前から家屋の清掃を十分にしておく方がよいと思います。
どうしてもネコを飼いたいのですが。
ネコを始めとするペットが喘息によくないことは分かっていても、ペットを家族同様に扱われている患者さんにとっては、重大な問題ですね。私は患者さんに、誰か知り合いの方でも大切に飼って下さる方を捜してもらうように説明していますが、なかなかそうはならないようですね。極端な場合、海水浴に行った際に置いてきた(!)家族がおられました。それを聞いて私は唖然としましたぁ、、。

最近、欧米ではペットは”パートナー”として扱われていて、「ペットを手放せ」といった指導は、「奥さんと離婚しなさい」と言っているのと同じ意味を持っているそうです。だから安易にそういった指導はされていないと聞いたことがあります。

論文のタイトルや雑誌名などは失念しましたが、ネコを毎日洗うと室内の抗原(アレルギーを起こす物質)の量がずいぶん下がるといった報告があります。それで、毎日必ずペットを洗うように指導されているそうです。誰かにゆずられる前に試してみてはどうでしょうか。

ただ、私はネコを飼ったことがないのですが、ネコを毎日洗うという習慣はほとんどないそうですね。ネコは水が嫌いで、小さな虎になるくらい怒り出すようです。でも、ご主人と一緒に暮らしていきたいのなら、ここはネコにも少し我慢してもらいましょうか。(^o^)

ところでここからはある獣医の先生から聞いたお話ですが、やっぱりネコは入浴するのは大変だとおっしゃっていました。小さい頃からシャンプーをしていれば慣れるかもしれないそうです。しかしそもそも犬猫は体の皮脂腺が発達していないため、汗をかくのは両前肢、後肢の裏だけで毎日のシャンプーは皮膚のためには良くないそうです。

犬ならいいのですか?
犬に対するアレルギーをお持ちの方もおられます。特に屋内犬の場合によくあります。しかしネコに比べると若干問題は解決できる方法が残されています。

犬のアレルギーに関しては犬の種類を変えると喘息やアレルギーのコントロールがうまくいく場合があると聞いた事があります(出典は失念しましたが、小児アレルギー学会である著名な先生の座談会の収録からです)。

犬はチワワもシベリアンハスキーも全部「犬」とひとまとめにしていますが、これをネコに当てはめると、ライオンもトラも「ネコ」と呼んでいるのと同じ事になるそうです。だから、日本で飼われているネコはみな抗原性(アレルギーを起こす物質)は似通っているけれど、犬は種によってだいぶん違う場合があると言うことです。例えばチワワは喘息がひどくなるけれど、シベリアンハスキーは大丈夫だった、みたいな事もあり得ることになります。でも一方ネコは、ペルシャネコでダメならアメリカンショートヘヤーでもダメ、と言うことになります。

 # ネコのアレルギーがあって、どうしてもネコを飼いたいのなら、
 # ライオンにすればうまくいく可能性も、、ある。 (^^;;

他にペットで気をつける種は?
小鳥などの鳥類もたくさんあります。そして最近ハムスターのアレルギーも報告されています。
爬虫類はどうですか。
幸いまだ爬虫類の重大なアレルギーは聞いたことがありません。爬虫類が好きならいいのですが、、。
これからもペットを飼うことはできませんか。
いいえ、きっと何かよい方法が見つかると思います。諦めないで下さい。

子どもは必ずと言っていいほど小動物を飼いたがるものです。まったく小動物に関心を示さない子どもは珍しいくらいです。動物の飼育経験はやっぱり何か情緒面での発達を支える側面を持っていると思います。

ペットのアレルギーのある方に、ひたすらペットを手放すだけの指導だけでなく、種を替えてみる飼育方法を工夫する、シャンプーによって抗原性の低下をはかるなど、これからはいろいろな模索がされていくでしょう。そしてペットもおそらく抗原性の低い種も見つけられると思います。


こどもと喘息 >> 自宅の環境整備
 西藤こどもクリニック